2019.04.26
春のキノコ
気が付けば今年初、
そして恐らくは平成最後の投稿になると思われます。
お久しぶりです皆様いかがお過ごしでしょうか。
野幌森林公園にある百年記念塔の解体が決定したらしいですね。
どこも財政難の北海道において、こういった
明確な実益のないモニュメントの維持費というのは難しい問題でしょうし
反対などするつもりはないのですが、
幼い頃から幾度となく足を運んだ野幌森林公園の
シンボルたる記念塔の美しいシルエットと、
風雪に耐え続けた錆色の趣は、
俺の人生の記憶を形成する重要な一要素であり
無くなってしまうのはやはり惜しいと言わざるを得ません。
もうあとどのくらいこの姿が見られるのか…
そんな思いを胸に、まだ肌寒いこの時期に
カブに乗って野幌へ足を運んだのでした。
が。
そこは俺ですから。
野幌へ行く理由ってのは基本的に一つなんですよ。
キノコを探すこと。
キノコってのは基本的に秋のものだと思う方も多いでしょうが
実際は春から生えてるやつは生えてるんです。
もちろん秋に比べると圧倒的に少ないですし種類も限られますが、
桜が咲くこの時期、年間通しても花形級の非常に有名なキノコが
顔を出し始めるわけなんです。
それがこれ。
アミガサタケ!
(画像のは正確にはトガリアミガサタケと言います)
こいつにずっと出会いたかった…。
いや、俺も訳知り顔で春もキノコはあるんだぜなんて言ってますが
実際のところ春にキノコ探しってやったことなくて。
何か空気感的にキノコなんてほんとにあるんかねって思いがあって
アミガサタケも知ってはいてもしっかり探したことなかったんですよ。
ちゃんと探せばあるもんなんですね。
感激しましたよ、この時期から顔だしてるキノコがあるなんて…。
かわいいでしょう。
かわいいですよね?
明確な傘と呼べるものがなく、
ヒダというかシワというか、クシャクシャの頭部を持つのがこの種の特徴。
何せ色合いが地味なんでちょっと見つけるのに苦労しましたが
周りを見回すとポコポコといくつか生えておりました。
いや~、出会えて良かった~…
つーわけ
で。
食べます。
え待ってちょっと待ってそんな変な形のキノコ食えんの…?
とお思いの方もいらっしゃるでしょうが
アミガサタケの類はヨーロッパではモリーユと呼ばれ
非常に美味しいキノコとして珍重されているのです。
一回食ってみたかったんだよね~。
ネットで見るとこいつの定番はクリーム煮とのこと。
とはいえわざわざこの一回のために高っけー生クリーム買うのもアレなんで
バター多めでミルク煮にしました。
アスパラは美唄産。(重要)
スープに旨味も出たし歯ざわりも悪くなく
まあまあ美味しいかなとも思ったんですが、特筆するほどでも…
俺の鼻が詰まってるせいかな。
こいつは乾燥品が多く出回ってるんで
本当は天日干しとかにした方が旨味が出るのかも。
なかなか俺ん家でそこまではできませんけど…。
天然物のキノコ食うたびに思うんですけど、
何だかんだで今流通してる栽培のキノコってよくできてますよ、ホント。
どれも美味しいもん。
山で採れるキノコって、どっか尖ったとこはあっても
トータルバランスで見るとそんなに優れたもんじゃないケースが
多い気がするんですよね、俺は。
キノコ業者さんの長年の努力に感謝。
最後に、
こんなのも初めて見つけることができました。
こいつはシャグマアミガサタケといいます。
先程のトガリアミガサタケよりさらにグシャグシャな頭部が特徴。
食うと死にます。
いや食わんでしょこんなオソマ…
とお思いでしょうが
これの毒性は揮発性で、よく茹でこぼすと抜けるので
フィンランドではこれも高級キノコとして流通しているんです。
向こうのフグみたいなアレなんでしょうか…。
ちなみに、茹でるとき毒ガスが出るので
やろうと思う人は屋外で迷惑のかからないとこでやって下さい。
小さいときにキノコ図鑑でこいつを見て、
「シャグマ」という何となく邪悪な響きの名前と
それに見合う邪悪なルックスと強烈な毒性から、
俺の中ではずっとダークヒーローキノコの一つだったんです。
これも出会えてよかった。
つーわけで、
令和もナオキノコラムをよろしくお願い致します。
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