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2012.04.10

サービスシューズのマニアックな話 その5 ~珍品編~

前回の「その4」で紹介した40年代のデッドストック、
そして以前の記事で紹介したデカすぎた60年代のも結局オークションで処分し、
新たな獲物(サービスシューズ)をゲットすべく日々Google検索に余念のない俺の前に、
そいつは思わぬ紹介のされ方で現れたのです…。

続きは以下。




http://bmc1997.blog129.fc2.com/blog-date-20120404.html


京都のとある古着屋さんのブログ記事。
ここの店主がどうやって判断したのかは分かりませんが、
60年代から70年代頃のもの…とのこと。
俺が今探しているのは40年代のものだし、
ましてやユーズドとなれば普段ならスルー対象。

しかしこれ。
サービスシューズの実物、画像を腐るほど見てきた俺の見立てでは
ほぼ確信を持って「その年代のものではない」と言えます。

俺がこれまで仕入れた情報を元に、
サービスシューズの各年代別の仕様をまとめるとこんな感じになります。
(10年ごとの区切りは大雑把なもので、境目付近で混ざる場合もあり)



○40年代
 ・5or6アイレット、シューレース脇のステッチ有り
 ・羽根下部のステッチはダブル
 ・ソールはレザー
 ・ヒールにT字のレザーが縫いつけてある
  P1010462a.jpg こういう感じ

○50年代
 ・6アイレットのみになる
 ・ヒールのデザインが合わせ縫いになる
  RIMG1439.jpg こういう感じ

○60年代
 ・羽根下部のステッチがシングルになる

○70年代
 ・5アイレットになり、シューレース脇のステッチが消える

○80年代以降
 ・ソールがラバーになる
 ・ライナーの素材感が変わる



これらの点を押さえた上で今回のこのブツを見てみると、
5アイレット、シューレース脇のステッチ有り、ヒールはT字仕様。
そして前回の「その4」でも書いた、微妙なソール形状の違い。
まさにこれは…40年代の仕様そのものじゃないか。

ここで注意したいのが、これらの仕様は民生品だとその限りではないということ。
民生品だと、どういうわけか60年代以降になっても
40年代のデザインで作られているものが存在します。
「その1」で紹介している、俺が最初に買ったのがそれです。
「その2」で言及したミルスペック縛りの緩さが、
そういったデザインの混在の要因にもなっているのかも知れません。

では今回のこれは官給品なのか、民生品なのか?
と考えた時に、注目すべきは作りの精度、そして素材。
民生品は以前も書いたとおり、全体的に安っぽいです。
まず、ステッチが粗い。
50年代以前だとそうでもないですが、60年代以降だと明らかに粗い。
そして、中底が紙製のものが多い。
事実、俺の持ってる民生品二つはどっちも紙です。
その二点を押さえた上で今回のこれを見ると、
ステッチは非常に細かく、中底も変色具合から間違いなくレザー。
これらの点から、100%ではないがかなりの確率で官給品であろうと。
そして官給品ならば、40年代付近のものであろうと。
そう信じて注文完了。

そして、ブツが届くまでの間に、
残された謎「コントラクトナンバー」について調べてみました。
ブログ写真から判別できる表記は

N140-62236s-38282B

そもそもこれがコントラクトナンバーなのかもようわからん。
今まで見てきたサービスシューズは少なくとも年号くらいは
判別できるような表記がされているのが当然だったし。

というわけで、まあこんな数列じゃ検索もしようがないかもな…と思いつつ
ダメもとで「N140 62236s」あたりをGoogleにぶっこんで調べてみたところ…

あれ?何かすげー一杯出るぞ?

どうやら、靴ではなくジャケットなんかではわりと当たり前の表記の様子。
ていうか、俺こういう表記のピーコート持ってました。

20120410014814.jpg

ほとんど一緒じゃんw
あくまで推測ですが、ジャケット類と靴類では通常管理する部署が違い
今回のこのシューズに関してはたまたまジャケット類と同じ部署で取り扱ったため
こういう表記の違いが生まれたのかなぁなどと考えたりしました。

ただここで一つ疑問が湧いてきます。
いつからこの表記が用いられるようになったのかは定かではありませんが、
自分が調べた範囲ではこの表記があるのは50年代から60年代のものが多いということ。
そうなってくると、40年代にしか存在しないはずの仕様と矛盾が生じてしまう。
40年代末期のもので50年代の仕様のものも見たことがあるので、
50年代に入ればほぼ全て50年代の仕様になると考えていいはずなんだけど…。
そうこう考えてるうちにブツ到着。


P1010530a.jpg

P1010534a.jpg


手に取って改めて、少なくとも60年代以降のものではないことを確信しました。
要因はこの素晴らしい革質。


P1010533a.jpg


具体的に言うならば、Archでずっと売れ残ってる(多分高くて売れないんでしょう)
40年代のサービスシューズとほぼ一緒の質感。
きめ細かくムッチリとした上質のカーフ。
年月を経ても、それなりの手入れさえなされていれば
良い物はその良さを保てるもんなんですな。

で、結局こいつはいつ頃のものなのか?
俺の出したとりあえずの結論はこう。
デザインはオーパーツ的にズレがあることは有り得ても、
コントラクトナンバーにズレが生じることは考えづらい。
このナンバー表記が採用された年がいつなのかにもよりますが、
恐らくは40年代の本当に末期から50年代の初期。
周りのコントラクターがみんな50年代仕様に切り替えていく中、
このJ.F.McELWAIN CO.という会社は

「サービスシューズってなぁな、昔ながらのこの形が一番美しいんでぇ」

という矜持を持ってやっていたのか、はたまた

「え?いま皆そんな仕様で作ってんの?やっだwwww恥ずかしwwww」

というおとぼけさんなのか知りませんが、恐らく一番最後まで
40年代の仕様を引きずってサービスシューズを作り続けていたんだと思います。
以上のような年代の微妙さ、ナンバー表記の珍しさから
こいつはなかなかの珍品であると言えると思います。

ウィズがBなんで流石にかなりタイトな履き心地ではありますが、
そこら辺多少融通が利くのが外羽根式のサービスシューズの良さでもありますし、
その分かっこ良さはダンチです。
大切に履きます。

そして…まだまだ探しますよーw
次はどんなのに出会えるかなぁ。


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まとめtyaiました【サービスシューズのマニアックな話 その5 ~珍品編~】 | まとめwoネタ速neo at 2012.05.03 23:40
この記事へのコメント
いつも拝見させていただいてます
知識の多さに凄く勉強になります
今サービスシューズの60年代のデッドを探してるんですがどこにあるとかいう情報はないですか?
Posted by ナオキン at 2013.03.26 22:56 | 編集
初めまして!コメントありがとうございます。
最近靴への興味がサービスシューズ以外のドレスシューズに移りつつあるのであまり情報を集めていないのですが、Googleで一週間以内とかで期間指定して「サービスシューズ デッド」とか入れて探すと意外と出てくるもんですよ。
流石に60年代はもう少なくなってきてるようですけどねー。
毎日のように検索で粘ればまだ見つかるはずです。ご健闘をお祈りします!
Posted by なおき at 2013.03.31 10:17 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Posted by at 2014.12.06 01:49 | 編集
>Bさん
すごい情報ありがとうございます!
記事にしたいのですが、よろしいでしょうか…。
Posted by なおき at 2014.12.08 11:46 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Posted by at 2014.12.09 23:26 | 編集
>Bさん
ちょっと空恐ろしいほどのリサーチ力ですね…(笑)おみそれしました。
コルファムで作られてたってのがまた面白い。今となってはただの合皮ですけど、当時は最先端の素材だったでしょうからね。
あと、このチャッカ、かやしまさんが持ってるこれとデザインが一緒なんですよ。
http://shukaya.blogspot.jp/2014/11/38french-shriner.html
こっちはURNER付きなので40年代~50年代初頭くらいだと思うのですが、これもUSMC用に作られたものなのでしょうか…?
あるいは後年にこのデザインをUSMC用に転用した…ってことは、軍の規格とかあるはずなので考えづらいですよね。
面白いテーマができましたね~。
Posted by なおき at 2014.12.10 00:17 | 編集
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