2014.01.27

ロイヤル馬の尻


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ちょっと前から何度もここやツイッターで書いてますけど、
昨今の古着業界、以前は当たり前にあったようなものがどんどん減ってきています。
ハイポジとか行ってもMade In USAの割合が随分減ったなぁと感じるし、
人気のものはどんどん高くなる一方。
多分、俺ら世代に馴染みの古着の世界的な在庫において、今が転換期なんでしょう。
若い世代の人は「そういうもの」として、これから古くなっていくものを
古着として愛していくようになるのでしょうが、
俺らが愛するものを確実に手に入れておくには、そろそろタイムリミットが近づいている。
今回は、そんな思いのもと入手した「アレ」のお話。
サムネとタイトルで分かるよね?
続きは以下。



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Florsheim Royal Imperial Kenmoor。
コードバン製。デッドストック。9D。


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以前にも紹介しましたが、
インペリアルやロイヤルインペリアルの年代判別については
こちらのブログ記事のコメント欄でかなり詳細な議論がなされています。
それによれば、ロイヤルインペリアルがレギュラーラインになったのは77年頃で、
さらに先日のSUPER8SHOESさんのブログに書かれていた情報によると
ライナーにMade In USA表記が入るのが84年頃という話。
これは「JC」表記でMade In USA表記無しなので多分82年製ではないかと思います。

いやはや、高かった。
前に落としたケン様(ケンムールのこと)の3倍近くした…
こいつのためにサービスシューズ3足、ジャケット1着、フィギュア1体を里子に出しました。
(サービスシューズ落としてくれた二人ともうちのブログの読者さんでしたよ…
何だか恐縮ですね…)
とは言ってもですね。
これは前のケン様があまりにも安く手に入ったということが大きく、
今回のモノに関してもサイズ、状態からすれば
一般的な市場流通価格よりむしろ安いくらいなんです。
それでも高いもんは高いんですけどw

コードバン。
それは革の宝石とも呼ばれる、靴の素材としては最も高級かつ希少なものの一つ。
一般的なドレスシューズは牛革ですが、コードバンというのは馬。
とは言っても、ホースハイド等と呼ばれるような普通の馬革とは
全く成り立ちも性質も違うものです。
細かいことはググって頂きたいのですが、農耕馬の厚い尻の皮を削って
中の層を取り出したものがコードバンになります。
サラブレッドなどの他の馬にはこの層自体がないため、
どんな馬からでも取れる訳ではありません。
とにかく繊維の密度が高く、その繊維の走る方向も普通の表革とは違うため、
これを靴に用いて履き込むと独特のうねるようなシワが入り、
磨き込むと素晴らしいツヤが出ます。
水に弱く、雨の日には履けないのが難点ですが…。

いつ頃まで農耕に馬を使ってたのかはよく知りませんが、
当然ながら現代において農耕馬なんて減る一方
(現在は農耕用ではなく食用として少数生産されている様子)ですし、
昔の農耕馬の方が尻の皮が厚くて良かったという話も聞きます。
その一方で、Aldenなんかは今ブームの真っ最中で、
コードバンの需要は高まるばかり。
つーことは、どうなるか?
これまでは基準に満たないとして使用されてこなかったような品質の
コードバンでも使わざるを得なくなるのではないか。
当然ながら価格はそのままで。
まあこれは邪推ですけど、大いにあり得る話だと思ってます。
ていうか、やっぱり色んな靴を見てきてるファッショニスタやリペアマンが
口を揃えて言うのは「昔のコードバンは厚みがあって良質」ってことなんですよ。
何でも昔のものがいいって訳じゃない、
けれど時代と共に品質が低下してしまうものも確かにある。
コードバンもそんなものの一つだと思います。

そういう話を聞いてると、何だか以前は憧れていた
Aldenのレギュラー品とかに対する欲求は薄れてしまって。
昔の良質なコードバンを可及的速やかにゲットせねばならん!
そんな意識が高まってきていたところに、以前からチラチラチェックしていた
とあるオークションの出品者の出品リストを見てみると、
ちょうど前に買ったケン様と同じサイズのコードバンのデッドがあるではないの!
つーわけで、いろいろ代わりに手放して入手に至ったというわけです。
80'sなんてビンテージ市場じゃ最近の部類ですけど、贅沢は言ってられない。
それでも30年以上前だしね。
ていうか、コードバンで靴を作るということが
当たり前になったのっていつ頃なのだろう?
一応ラコタが出したAldenの広告には55年製の990が載ってはいるんですが
そんなのは恐らく例外中の例外のような気がします。
少なくとも現在市場に出てるのってほとんどが70年代以降、
60年代って謳ってるものもごくごく少数。
だから多分、80年代のコードバンってのも
割とコードバン靴の歴史の中じゃ古めの方だと思うのです。


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一年先輩のインペリアルケン様と共に。

ロイヤルインペリアルは一応インペリアルの上位ラインって認識でいいのでしょうが
作り的にはほとんど変わりがありません。
カーフのモデルに関して言えば、ちょっと革がツヤツヤ仕上げになってる程度の
差のようです。
コードバンのモデルに関してはそれこそロゴくらいしか違いはないのでは?
それとも77年にロイヤルインペリアルがレギュラーライン化されてからは
コードバンはロイヤルだけとかそういう仕様になったりとか?
この辺よく分からないので詳しい方教えて下さい。

そしてここに、アニキを呼んで


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♪ブラ~ック コニャ~ック ボ~ルド~
ブラ~ック コニャ~ック ボ~ルド~
俺たち~の魂~も~燃~え~て~い~る~♪

実際に存在したらさぞかし地味な色合いの戦隊ですが
こんなアホなコラを作りたくなるほどいい感じのトリオ!
願わくば60s、70s、80sで揃ってたらさらに綺麗だったんですけどねぇ。

そしてこちらは落札時のオマケ。


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当時新品購入時に付いてきたシューズバッグとシューホーン。
なんですがこれ


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こないだ古着屋で買ったばっかなんだよなぁ…
被っちまったよ。
これ落とすと決めてりゃ買うこともなかったのに…。

とまあ、こんな感じで
俺のフローシャイムコレクションはこれで一段落ってとこでしょうか。
現状これで大分物欲は収まってはおりますが
昔のアメリカ靴って魅力的なのがいっぱいあるんですよね…
ALLEN EDMONDSの旧ロゴ、J&Mの古いARISTOCRAFT、NETTLETON、
HANOVERのLB SHEPPARD、BOSTONIANのCROWN WINDSOR…
俺サイズのデッドが、出てきて欲しくもあり、欲しくもなし…
そんな気分です。
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はじめてコメントさせて頂きます。

古着好きの50代です。
アメリカ古着のタイムリミット、もう15年以上前から言われています。

「もう出てこない」とか「このサイズは二度とお目にかかれない」とかいうアイテムでもじっくり待っていれば意外に出てくるものだと思います。

デッドストックのジーンズや靴は、サイズが合わないものを買って寝かしていた人が放出するケースも多々あります。

古着も流行で買う人が多いので、ブームが去れば、逸品も値段が下がります。

フローシャイムも一時よりかなり買いやすくなりましたね。
かつての米国最大手シューメイカーが大量に作った靴なので、まだデッドでいいサイズも出てくると思いますよ。
本当に無くなるのはもっと先だと思います。

古いJ&MやHANOVERもいいですよね。作りや革がいいだけでなく履き心地がいいのが素晴らしいと思います。
Posted by TOORI at 2014.02.12 17:58 | 編集
TOORIさん初めまして!コメントありがとうございます。
大先輩ですねー、こんなブログにコメント頂いて恐縮でございます。
そうですねー、リミット言っときながら意外と「二度あることは三度ある」がままあるってのは僕自身もたびたび経験していることではあります。
ただ実際、例えば40年代のNAVYサービスシューズの9以下はデッドじゃ出ないってのはもうほぼ確定的だったり、やっぱりある程度モノが手に入るうちに買っとくべき時期でもあるとは思いますねー。
フローシャイムに関してはおっしゃる通り、企業規模とアメリカという国家の規模からすればまだ出そうな感じはありますね。買いやすくなったというお言葉、新品をリアルタイムで見てきたであろう方だけに重みがあります(笑)
アメリカ古靴は本当に魅力的です。最近はジョンマーが気になってます…古くていいものだとフローシャイムより格段に出ないので探しがいがありますね。
まだまだひよっこの自分ですが、また何か気になる記事、アホみたいな間違いなどございましたらコメント、ご指摘頂けると幸いです。
それでは失礼致します。
Posted by なおき at 2014.02.13 20:37 | 編集
なおきさん、ご返信ありがとうございます。

私はサービスシューズは詳しくないのですが、40年代のデッドは難しいかもしれませんね。でもこのへんのを持っている人は手入れだけして履いてなかったりするので、ひょっこり出てくるかもしれません。

フローシャイムは20代の頃にコードバンの黒とバーガンディーを履いていました。買ったのはセールですけど。
数年前、価格が高騰している時は買う気がしませんでしたが、最近は落ち着いてきたので、1足買いました。やっぱり良いですね。現行のオールデンの半額以下なので言うことはありません。

J&Mはアウトソールに網目模様が入ってるのとかはめったに見ませんが、80年代くらいまではまだまだ良いのがありますので、少し年代の範囲広げて探してみて下さい。

私は古着歴は30年以上になりますが、古靴は特別な魅力がありますね。手入れをしたりとか、合うツリーを探したりする楽しみもあります。
私の経験上ですが、50年代以前のものは、残念ながら革が劣化している物が多い気がします。なめしの技術とかもあるのかもしれませんが、やはり経年劣化だと思います。

長々と書いてしまいました。すみません。またコメントさせて頂きます。
Posted by TOORI at 2014.02.13 23:37 | 編集
数年前にフローシャイムの高騰期というのがあったんですねー。
自分がこの辺に興味を持ったのが比較的最近なので知りませんでした。古着のドレスシューズブームも最近のイメージでしたし…。
しかし20代に履かれていたというコードバン、もし今もあるなら拝見させて頂きたいです。

経年劣化は慎重に見極めないと痛い目見ますね。
特にデッドなんて手入れされてないのが多いですから…
そういう点では古いものはユーズドの方がまだ安心できるもんかも知れませんねー。
Posted by なおき at 2014.02.14 08:25 | 編集
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