2016.03.07

Sugiにまつわるよもやま話 その1 ~オーダーに至るまで~

今回からは、先日オーダーしたNaoちゃんに関する話を
適当に分けてダラダラと語っていこうかと思います。
何回になるかも分かりませんが、興味のある方はお付き合い下さい。


まず、Naoちゃんを作ってくれたメーカー"Sugi"について。
Sugiを語るには、まず代表取締役でありマスタービルダーである
杉本眞氏について語らねばなりません。

杉本氏は、日本を代表するギターメーカー「フジゲン」にて
長らくビルダーを務めてこられた方です。
フジゲンは同名でオリジナルのギターも作っていますが
それよりはOEMメーカーとしての顔が広く知られており、
例えばアイバニーズの日本製モデルを作っているのはフジゲンです。
他にも島村楽器系列の一連のブランドやG-Life Guitarsなど
多数のブランドに向けて様々な系統のギターを作っています。
(ついでに、Lexus車の内装の木工なんかも手がけています)
そんな雑多な環境のフジゲンで辣腕を振るい、
数々のブランドギターやアーティストモデルを手がけたほか
80年代には、Fender社が一番ダメになっていた時期に
日本から招聘された技術支援チームの一員として渡米し、
さらにはFender Custom Shopの立ち上げにも参加するなど
正に日本を代表する名工と呼べるでしょう。
そんな杉本氏が、長らく暖めていた自分の作りたいギターを作るべく
2002年に杉本氏が立ち上げたブランドがSugiなのです。

そんなSugiを自分が知ったのはかなり早かったと記憶しており
たしかギターマガジン誌かPlayer誌に掲載されていた広告の
SHシリーズDSシリーズを見たのが最初だったと思います。
当時からその洗練されたデザインには惹かれるものがあり
また当時まだ珍しかった国産ハイエンドということも相まって
常に気になる存在ではありました。

そしてその後、TOTOのベーシストであった故マイク・ポーカロ氏との
コラボレーションによって生まれた、Sugi初のベースが
現在のSugiの看板モデルの一つであり
Naoちゃんもその一族の末席に加わることとなった
"NIGHT BREEZE"シリーズです。
国内ではLUNKHEADの合田氏がかなり初期から使用しているほか
MUCCのYUKKE氏やセッションベーシストのJu-ken氏、
最近ではゲスの極み乙女。の休日課長氏が使用していることで
急激に知名度を上げているモデルです。

自分がこのNBシリーズに惹かれたのはそのデザインもさることながら
そのコンセプトである
「パッシブコントロールで鳴りが良く演奏バランスが良いベース」
というところでした。
自分はアクティブのベースをあまり使う気になれないのですが、
それは音が嫌いとかそういうのでは全くなく
ただ単に「電池が入ってるのがイヤ」というだけなのです。
いつ切れるか分からないものを積みながら演奏しているということが
もう耐えられないわけなんです。
まあそんなしょうもない理由でパッシブを使っている自分なのですが
とかくエレクトリックベースというものはハイエンドになると
あれやこれやと機能が付いたアクティブのモデルが主流であり、
なかなか欲しいと思えるものが無かったところに
現れたNBは自分にとってかなり魅力的なモデルだったのです。

そして、自分のNBへの思いを決定的にした一本が
バカテクセッションベーシストFire氏が
Sugiとのコラボレーションで生み出したオリジナルモデル
「NB5 DREAM CATCHER 33」でした。


NB5-DREAM-CATCHER-top.jpg


もはや芸術品とも呼べる組み木のボディトップ。
ベースマガジン誌の「My Dear Bass」コーナーに掲載されるや大反響を呼び
かのナルチョこと鳴瀬喜博氏も影響を受けて
「俺もエグいの作りたい」との思いで「ギガッパチ」を制作したという
逸話まであるモデルです。
こんな素晴らしいベースを作れる会社の製品を
いつか手にしてみたい…という思いは
月日を経るごとに募る一方でした。

しかしながら、Sugiは少数精鋭の工房でのハンドメイドであり
比較的最近まで知る人ぞ知るレベルのブランドだったので
なかなか北海道にまでモノが来ることがなく、
ずっとただの憧れであったのでした。

そんなある日。
ふらりと立ち寄った島村楽器札幌パルコ店のフロアの片隅に
あるじゃないですか、Sugiが。
よく見れば他にも様々な高級メーカーの竿がいっぱい。
自分はそんなに頻繁に島村楽器に通ってたわけではなかったので
いつの間にかこんなに色々なハイエンド機を取り揃えるようになったとは
ついぞ知らぬままだったのでした。
当然、一も二もなく試奏を希望。

弾いてみて。

あー…
自然だ。

指が弦を弾き、そこから出た音が色々な回路を通って
最終的に自分の耳に届くまでの道筋に
障害物が何一つ無い感じ。
弾いていてストレスが全く無い。
何て良い楽器なんだろう…

試奏を終えて、パルコ店の黒坂さんに楽器を手渡して
「いやー、良い楽器ですね」と言ったところ
「ご希望でしたらオーダーなんかもできますんで」という一言。

オーダー…

それは俺がベースを始めた高校生の頃から
ずっと憧れていた言葉。
当時はLUNA SEAやラルクが大旋風を巻き起こしており
ビジュアル系アーティストは皆ESP製の色鮮やかでトゲトゲした
オリジナルギターをぶら下げておりました。(今もだけどね)
tetsuya(当時はtetsu)モデルの紫のTFR-Iの
60万という値段に衝撃を受け
(後にその2.5倍の値段のモデルを作ることになるとも知らず)
俺もいつかは…という情熱をふつふつと燃やし
ノートの片隅で日夜「俺モデル」をデザインしていたものです。

忘れもしない2015年8月27日、
雨のそぼ降る円山公園。
キノコを探したい思いに駆られて来たこの場所でぶらぶら歩きつつ
俺はSugiのことを考えておりました。

その時点で自分の中で
Sugiを購入することはほぼ決定事項となっていました。
10年以上愛用しているVan Zandtももちろん素晴らしい楽器なのだけれど
そろそろ新たな刺激を取り入れていきたい。

そこで一つ頭にあったのは
その年の6月から開始されていたSugiのコンセプト企画
"Birthstone Series"。
"誕生石"をモチーフにしたモデルを毎月、
一年がかりで12種類作っていく壮大な企画。
自分の誕生石は1月のガーネットなので
そこでリリースされるモデルを購入しようか…
と考えたのですが。
しかしながら、1月のモデルが必ずしも自分好みの仕様とは限らない。
つーか、1月までなんて待てねぇ(笑)
それに…

オーダー。

するなら、今なんじゃねえの?

もし、するなら…

こんな感じにしたいというイメージは、ある。

あるなら…形にするべきだろ。

そう思って、降りしきる雨の中。
俺はSugiのオーダーを決意したのでした。


つーわけで、今回はこの辺で。
次回はオーダーのコンセプトについてご説明することになるでしょうかね。


ちなみに1月のモデル"Garnet"はこんなんになりました。
悪かないけどね…
自分にはちょっと違うかなっていう。


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