2006.03.12

シド「星の都」

発売から大分経ちましたが、ついに買ってしまいました。



シドは、ガゼットと並んで現在ビジュアルインディーズシーンで最も勢いのある4人組バンドです(ニューシングル「ホソイコエ」オリコン初登場18位、東京国際フォーラムホールA即日完売など)。
彼らについては以前からその実力や曲のクオリティなど噂はかねがね耳にしており、気になってはいた存在だったのですが、前作のアルバム「憐哀」時点での彼らは、いわゆる昭和歌謡風レトロなメロディーを武器にしたバンドであり、正直なところもうそういう楽曲については椎名林檎やカリガリあたりを聴いとけばいいやという感じで食傷気味だったので、購入して聴くまでには至っていませんでした。
しかし、その次にリリースされたシングル「Paint Pops」で彼らはその色をガラッと変えてきました。その色とはずばり「ド真ん中のJ-POP」。より近代的な音にはなりつつも、あくまで日本にしか存在し得ない、日本人の心の琴線に触れるメロディーを武器に、より広がりのある音楽性の獲得に成功したのです。そして、さらにその次にリリースされたシングル「Sweet?」が個人的に大ヒット。アルバム買おうかなーどうしよっかなーと悩んでいるうちに時は過ぎ、最近YoutubeでフルPVを見て決心。購入へと至ったわけです。

この「星の都」全体に漂うのは、90年代前半あたりの、J-POPがまだJ-POPらしくあった時代のサウンドの雰囲気。どれもこれも良質のメロディーとツボを抑えたアレンジで構成されており、最初から最後まで小難しいことを考えずにするっと聴けます。Sakura(元L'arc~en~Ciel、現Sons Of All Pussys)のプロデュースワークも見事。
何たってこいつら若いくせに実力派です。類稀なる歌唱力を持つVo・マオを筆頭に、全員が非常にしっかりした演奏力を持っています。もともと優れたアレンジをさらに自然に聴かせているのは、この4人の持つ実力の成せる業に他なりません。
それにしてもやっぱり「Sweet?」は名曲です。単音のファンキーなギターのオブリ、そして4つ打ちビートの打ち込みドラムにキラキラのシンセが入ってくれば、そこはもう笑っちゃうくらいにベタベタの'90s J-POPワールド(褒めてます)。間奏のSUGIZOスケール全開のソロに至ってはもう感涙。もう最初から最後までアレンジが完璧すぎ、徹頭徹尾J-POPイズムの波状攻撃。「外人かぶれが優秀なら 僕は偽りだらけのFAKE STAR(by 黒夢)」とばかりに、現代日本のPOP魂をぶつけてきてくれます。
王道J-POPを思わせるとは言ってもそのメロディーラインの構成は彼ら独自のスタイルを既に確立しており、過去の焼き直しには留まらない個性を感じさせます。

そもそも僕がビジュアル系が好きなのは、今の日本には数少なくなった「日本独自」と言えるジャンルの音楽だからなのですよ。お化粧する音楽は海外にも数あれど、日本のビジュアル系というのはその独特の世界観、メロディーの構成など、他のどこにも存在しない独自の文化を築いている。ダサい、キモいと言われようが関係ない。ビジュアル系の音楽はビジュアル系でしか聴けないから僕はビジュアル系を聴いているんです。今、ビジュアル系がヨーロッパで受けているのも、見た目の面白さの他にそういう音楽的な面もあるんじゃないですかね。
そんな中で、いかにも「日本的」メロディーを武器にしたシドの存在は実に頼もしく思えます。今まさにノリにノっている彼ら、メジャーデビューも秒読み段階に迫り、今年のビジュアル界は彼らのものになると言っても過言ではないかも知れません。
J-POPが段々と洋楽POPの劣化コピーに取って代わりつつある昨今、王道のJ-POPが聴きたければシドを聴け!と言いたい。オススメですよ。
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